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【ブライアン・イーノのドキュメンタリー映画『Eno』ジェネラティヴ手法により毎回異なるストーリー体験】


2025年6月21日、UK音楽シーンを導いたアンビエント音楽の巨匠ブライアン・イーノ(77)の、話題のドキュメンタリー映画『Eno』が日本でひと足先にプレミアム上映をするということで行ってきた。場所は歌舞伎町の109シネマズプレミアム新宿。7月11日から17日まで、同じこのシアターで上映。大阪・名古屋でも各2日間、上映される。

ブライアン・イーノは、1970年代初頭、イギリスのニュー・ロマンティック世代のバンド、ブライアン・フェリー(79)率いるロキシー・ミュージックの創設メンバーの一人である。

トゲトゲしいパンク・ムーブメントが終わり、ポップなニュー・ロマンティックの幕開け的存在。

その頃はヒッピームーブメントの影響も受け、英国内では、男性は男らしさが煙たがられ、中性的なファッションが受け入れられていた。

当時の若い芸術家はファッションとして化粧を取り入れていた。故スティーブ・ストレンジも、イーノも、デビッド・ボーイも、ブライアン・フェリーもだ。

ロキシー・ミュージックを離れたイーノはアンビエントミュージックでソロ活動をする一方で、名プロデューサーとして有名である。

トーキング・ヘッズ、デヴィッド・バーン、U2、コールドプレイ、デヴィッド・ボウイ、グレース・ジョーンズ、カール・ハイド(アンダーワールド)、ピーター・ガブリエルなどのプロデュースを手掛けている。

〈世界初の試み!上映のたびに毎回異なる素材の組み合わせが生成されるジェネラティヴ・ドキュメンタリーが誕生〉

ギャリー・ハストウィット監督(60)が、ブライアン・イーノへの長時間のインタビューやアーカイブ映像、共同開発した自動生成システム『Brain One』を用いて制作した『ジェネラティヴ・ドキュメンタリー映画』だ。日本版字幕監修に、音楽評論家、ブロードキャスターのピーター・バラカン(73)。彼の音楽的嗜好もイーノに被るところがある。ブラックミュージック、ブルース好きであるところなどだ。

「毎回、違う作品にしたい。」
「もう技術的にプログラミングでできるのに何故やらないんだ?」

このような発想のもので映画作りがスタートした。構想から5、6年。500時間の動画が取られ、その中から『オブリーク・ストラテジーズのカード』の元にソフト『Brain One』で、シーンが選ばれ構成。

毎回違うシーンをに『Brain One』が選りすぐり映画に構成。

映画ガチャ?いやガチャはカプセルがダブることがよくある。

この映画の手法は、2度と同じストーリーとはならないという。

今回のプレミア上映に、ギャリー・ハストウィット監督が来日。

日本語字幕監修を手がけたピーター・バラカンとのスペシャルトークショーが行われた。トークや会場からの質問にも全てバラカンが翻訳。会場には既に海外で公開されたものを観てきたという玄人も。

〈天才気質、アーティストの真髄!〉

2018年にハストウィット監督が、電気シェーバー、ブラウン社の工業デザイナーとしても有名なドイツのプロダクトデザイナー、Dieter・Rams(ディーター・ラムス)のドキュメンタリー映画を作っていた時、ブライアン・イーノと初めて出会う。

ハストウィット監督は、ラムズの映画を2年くらいかけて作っていた時は音楽のことはそんなに考えてはいなかったそうだ。

友人に、
「音楽はブライアン・イーノに担当してもらったら最高だね」
と話すと、

偶然にも友人はついこの間彼のマネージャーと連絡を取り合っていたということで、直ぐ様連絡を入れ、イーノにラムスの映画音楽を担当してもらいたいと打診したらすぐYESの返事を貰う。

イーノは巨匠スティーブン・スピルバーグにさえ断りを入るのに、こんな小さなドキュメンタリーの仕事を引き受けてくれたと感動。

そして
「これまで何故貴方に関するドキュメンタリーは無いのか?是非作りたいのだが」
と申し出るとイーノに
「いや結構」と断られる。

バイオグラフィー、音楽関連のドキュメンタリーにしても、必ず誰か特定の人の見方になるけれど、そんな風にイメージを固定されるのが嫌だ、実際には誰でも複数の物語があるものだ。イーノは語った。

映画は、こちら側から映像を限定し切り取って提供するもので、受け手は皆そのイメージだけを受け取る。
『同じ映画の繰り返しは一方的にこちらの作った価値観、イメージを観客に伝えるだけのものになってしまう。』

それにイーノは納得が行かなかった。

〈映画の媒体がフィルムからデジタルになり、映画に可能性が生まれた〉

イーノにそう言われた監督も、実は同じ不満を持っていた。
映画作りというものは、一度作ってしまったものは固定された形で、毎回毎回全く同じものを上映しなければいけない。

それに飽きたらなくて、何か違う形ができないかと模索していた。

映画は何故固定されてしまうのか、と言ったら130年前に初めてフィルムという媒体ができたときからフィルムしかありえなかった。

デジタルに変わった時点でアナログのフィルムと同じ様に上映する必要性が全くなくなった。

なのに皆、やり方を変えずに従来と全く同じように上映し続けているなんて!

丁度イギリスのブレンダン・ドーズ(Brendan Dawes/59)とのコラボレーションでみるたびに、バージョンが違う映画、こういったものを作れないかと模索し始めた。

これができれば、ブライアン・イーノが絶好の対象になるのではないかと、また彼も全くそう思っていてすぐにOKをくれた。

映画を作るときにその形が題材と重なることが大事だ。
このジェネラティブのソフトウェアで、映画を作るというのはイーノの創作プロセスに類似したものである。

6月21日、午後6時に見たバージョンでは、ローリー・アンダーソンがキーワードの書かれたカード、『オブリーク・ストラテジーズ』を1枚取って読み上げた。同日、午後2時の回ではディビッド・バーンであったけれど、それぞれ6,7枚づつ、カードを引いている。
『オブリーク・ストラテジーズ』はブライアン・イーノとペーター・シュミットが独自に考えていた発想法が、1970年代に統合されて生まれた。

『オブリーク・ストラテジーズ』は、抽象的で格言めいた文章が書かれたそのカードに従うことで、固定化した考えを打ち壊し、新しいアイデアを取り入れていく。
あの『4分33秒』名曲(迷曲)を生み出したジョン・ケージから影響を受けた。

イーノはレコーディングにもこの手法を用いて、ミュージシャンとの摩擦や衝突をゲームにしていった。

オブリーク・ストラテジーズのカードはシアターの売店で販売している。

〈『Brain One』がオブリーク・ストラテジーズのカードによりチョイスする映画展開〉

今回たまたまローリー・アンダーソンが取ったあのカードがAIのシステムに選ばれて、そして、違う別のシーンにつながる。そういうプロセスになっているという。毎回毎回AIのシステムは違うものを選び映画の進む方向が変わっていく。

映画が多様性に。およそ6年かけて作り上げたもの、試行錯誤も多々あり、ある程度の構造は必要だが、できるだけ流動的なものにもしたい。元々イーノが持っていた素材が500時間。それを整理した上でインタビュー(会話)も追加。それが30時間くらい。少なくともバラカンが観たものは、(映画の素材)その内の3時間だという。

大抵映画として上映するものは80分〜85分くらいのものにしているが、毎回その長さも異なる。

ベネチアのビエンナーレでは168時間全く繰り返すことなく、一週間ずっとエンドレスで上映したこともあったという。

ストリーミングで試しに24時間やったことがある。

ドキュメンタリーは情報量が多く、バラカンは大抵5,6回は観ておきたいと語った。  
この映画、イーノの発言がどれも興味深いので繰り返し観て消化したいという人が続出するだろう。

イーノがよく使うモチーフに川がある。川というのはいつも同じだけどいつも動いており流れている。

この映画も全くそういうもの。
つい先週また新しい素材を付け足した。

これがもしビデオパッケージで売ってしまったら、一時のスナップショットにすぎないものでやはり本質的に違う。この映画の一種の儚さ…今日観たものはこの映画館の中だけであり、他の人は誰も観たことがない。これから先も恐らく同じ形のものは上映されない。であるから皆さんの記憶の中でしか存在しない。映画というものが何で有りうるのか?1つの新しい形だと思ってハストウィット監督自身とても気に入っている。

イーノのコンセプチュアルな考え方、例えば映画の中では哲学という言葉が何度がでてくる。しかしイーノの言うことはすごくわかりやすいし、ユーモアもあって、理解するのに努力する必要は全然ない。

今回の映画の前触れを聞いただけで「難しそう」と躊躇したが実際は、洋楽シーンが好きな人ならば、登場人物の豪華さに、あっという間に終わってしまい、次のシーンが観たいという要求が強くなってくる。

イーノや、色々なミュージシャンの創造性のプロセスを描きたかったというのが実際うまく引き出されており、映画を観ているとどのシーンでも創造する過程に関する何かのヒントなど、印象に残る話がいっぱい詰まっている。

《今回プレミア上映の内容より気になるシーンをピックアップ》

〈U2の『Pride〜In the name of love』をプロデュース〉
元々は、ボノは歌詞ワンフレーズごとに曲を止め歌詞と曲を仕上げる作り方をしていた。

歌詞をまず重きに置いており、メロディが縛られている。『あれでもダメ、これでもダメ』やり直しに時間がかかる。

これではダメだとイーノは、歌詞と曲をバラして作ることをボノに提案。

そして、まず先に作ったメロディを曲に合わせてスキャットで歌ってみてとリクエストした。

ボノはスキャットで哀愁漂うシャウトを聴かせてみせた。『良いじゃないか』
『でもこれでは曲の頭からサビになっちゃう』『ならば曲のテンポを変えてみよう』テンポを遅くして変えてみた。『Pride〜In the name of love』はこうして出来上がった。

ボノはのち、僕達が書いた中で最も成功したポップ・ソング(商業曲)だと言っている。(ウィキペディアより)

『オブリーク・ストラテジーズ』カードの遊びはデビット・ボウイのレコーディングの際にも。
ボウイと、イーノ。お互いにカードを引く。
ボウイのカードは
『できるだけ既存を変えずにやっていく』

イーノのカードは
『既存を破壊していく』

お互いのカードの手の内は見せてはいけない。このようにカードに沿ってレコーディングを進めていたという。

〈映画はストーリーのほんの断片に過ぎない〉

ネット配信サービスでさえも、そのストーリーのうちの一部を切り取って配信することになる。

この映画の手法が今後、映画業界にセンセーショナルを投じるなら、観客は大変な思いをしなければならないかも知れない。

「毎回異なるシーンが流れるなら、全日程・全上映を買い占めるファンが出てもおかしくない」

その背景には、人気投票のために同じCDを何十枚、時には何百枚と購入するなどし、そんな経済的体力と情熱を併せ持つファンたちにとって、毎回内容が違う映画の複数鑑賞など、特別な出費とは彼らには映らないからだ。

ブライアン・イーノは今後の映画業界にセンセーショナルな風を吹き入れた。

プレミアム上映ではディビッド・バーンとの掛け合いがあるのかと思いきや直前で場面展開…しかしボノ(U2)、故デビッド・ボーイとのエピソードを観ることができた。

7月の上映にはまた異なったストーリーが観られるのだろう。

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