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さくらフィナンシャルニュース

「忖度」無しの報道 "なんか"日本の報道に違和感を感じている人へ ちょっとクセあり番組だけど フォローしたら良いことあるかも?

「『私は何者か』67年の葛藤に司法が光」



東京地裁が歴史的判決——戸籍調査で真実への扉開く

運命の1日が人生を変えた

1958年春、東京都立墨田産院で生まれたばかりの赤ちゃんが、別の新生児と入れ替わった。

その瞬間から、江蔵智さん(67)の「二つの人生」が始まった。育ての親との確執で14歳で家を出た夜、親戚から「顔が似ていない」と囁かれた日々、40代でDNA鑑定が突きつけた残酷な真実——。全ての歯車が狂ったのは、産院側の一瞬の過失だった。

司法が認めた「血の叫び」

「生みの親の顔が見たい」。この20年間、江蔵さんが突きつけてきた問いに、東京地裁は4月21日、明確な答えを出した。

平井直也裁判長は「出自を知る権利は憲法13条が保障する法的利益」と宣言。都に対し、戸籍調査とDNA鑑定協力依頼による生みの親の特定を命じた。病院側に調査を義務付ける初の司法判断が、67年の時を超える真実追及を後押しする。

黒塗り文書と80人の壁

江蔵さんが墨田区に請求した戸籍情報はほぼ全面黒塗りで返された。

同じ時期に生まれた80人を自力で訪問するも、手掛かりは得られず。「役所の書類の向こうに、私の人生が埋もれている」。老人ホームで認知症が進む育ての母、10年前に他界した父。時間との戦いが、裁判の背景にあった。

判決の核心文が示す転換

「個人の尊重は、自己のルーツを知る権利を含む」(判決文より)。

この文言が、日本の司法のパラダイムシフトを象徴する。都が主張した「第三者プライバシー侵害」の論理を退けた判断は、戦後医療過誤の闇に切り込む先例となる。

母の涙と消えない記憶

「育ての母は今も『本当の息子に会わせて』と訴える」。江蔵さんが語る認知症の母の言葉が、この事件の本質を物語る。産院の過失がもたらしたのは、単なる個人の悲劇ではない——2組の家族を引き裂いた67年の爪痕が、医療行政の責任を浮き彫りにする。

墨田産院閉鎖から37年。判決が突きつけるのは、医療現場の「記憶の風化」との闘いだ。戦後ベビーブーム期に全国で32件以上の取り違えが発生した事実(日本法医学会調査)は、今も続く制度の不備を映す。この判決が、無名の「江蔵智たち」に勇気を与える日が来ることを願う。


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