―イスラエル・米国・宗教ネットワークに揺れる日本政治の危うさ―
序章 国際社会の流れと日本の孤立感
ガザでの人道危機が深刻化する中、欧州主要国が次々と「パレスチナ国家承認」に動き出している。フランスや英国の表明に続き、すでに150カ国以上が承認済みだ。にもかかわらず、日本政府は国家承認を「当面見送る」方向を固めた。表向きの理由は「2国家解決に資さない懸念」だが、その背後には米国とイスラエルロビーの強い影響が透けて見える。
石破茂首相が22日の国際会議への出席を見送ったのも象徴的だ。外交の場で存在感を示すより、米国やイスラエルへの“配慮”を優先した判断であることは疑いようがない。
① 日本は「国際金融資本とイスラエルロビー」の影響下にあるのか
日本外交を読み解く鍵は、常に米国の動向にある。特にイスラエルを巡る政策では、米国の姿勢がほぼ「指示書」として機能してきた。トランプ政権以来、親イスラエル政策はさらに強硬化し、バイデン政権下でも議会・ユダヤロビーの圧力から大きく舵を切れない。
この構図を支えているのが「国際金融資本」と呼ばれるネットワークである。とりわけウォール街や米政界に影響力を持つイスラエル系ロビー団体(AIPACなど)の存在は無視できない。日本の政財界も、米国市場への依存と資金調達のために、結果としてこの傘下に組み込まれている。パレスチナ国家承認を見送るのは、単なる外交判断ではなく「資金と同盟関係」を人質に取られた結果に近い。
② バルフォア宣言とロスチャイルド ―建国の原点
イスラエル建国の歴史を振り返ると、1917年の「バルフォア宣言」に行き着く。イギリス政府がロスチャイルド家に宛てた書簡で、「ユダヤ人の国家建設を支持する」と明記されたものだ。第一次世界大戦下の英国が、金融支援と引き換えにユダヤ人国家構想を承認した事実は、国家建設の背後に金融資本の存在があったことを物語っている。
日本政府がいまパレスチナ承認を避ける姿勢は、この歴史的経緯を無意識のうちになぞっているようにも映る。つまり「ロスチャイルド=金融ネットワークの意向に逆らえない」という構図が、100年以上たった今も続いているのだ。
③ ハーヴァラ協定 ―シオニズムとナチスの蜜月
さらに忘れてはならないのが1933年の「ハーヴァラ協定」である。世界シオニスト機構とナチス・ドイツが結んだ密約で、ユダヤ人がドイツ資産をイスラエル建国準備のためにパレスチナへ移すことを認めた。表が鍵十字、裏が六芒星という記念コインまで鋳造されたことは、両者の蜜月を象徴している。
ホロコーストの記憶が「絶対的正義」とされる一方で、その成立過程には複雑な取引と利害調整が存在した。こうした歴史はタブー視されがちだが、イスラエル国家の成り立ちを理解する上で不可欠である。
④ 日本国内における宗教団体とイスラエルネットワーク
問題は国際政治だけではない。日本国内にも「イスラエル万歳」のネットワークが浸透している。
たとえば宗教団体「キリストの幕屋」との関係で知られる赤塚高仁氏は、イスラエル親派の象徴的存在だった。彼が率いた「ヤマト・ユダヤ友好教会」の理事就任した人物が、現在の参政党代表・神谷宗幣氏である。神谷氏はイスラエル建国の父ベングリオンを称賛し、度々「イスラエル万歳」と発言してきた。
実際、キリストの幕屋の本拠地・熊本県阿蘇地域では、国政選挙ごとに参政党が異常に高い得票を記録している。これは宗教ネットワークを背景とした組織票の影響と考えられる。
⑤ 統一教会・勝共連合・日本会議 ―保守派ロビーの合流点
さらに統一教会(現・世界平和統一家庭連合)、勝共連合、日本会議といった保守系宗教団体も、イスラエルロビーとの親和性を持つ。反共・親米・親イスラエルという思想的立場が共通しており、日本のエセ右派政治家との結節点となってきた。
その延長線上に、タカ派政治家としての高市早苗氏や麻生太郎氏、そして神谷氏率いる参政党が並ぶ。もし将来的に自民党と参政党が連立するならば、日本の外交は一層「親イスラエル・親米」に傾き、パレスチナ問題における独自性を完全に失う危険がある。
⑥ 日本外交の矛盾と「2国家解決」の空洞化
政府は「2国家解決」を支持すると言いながら、実際には承認を避ける。この二枚舌は国際社会における日本の信頼を損なう。欧州諸国が人道危機を直視し、承認という政治的シグナルを発する一方、日本は“米国の顔色”と“イスラエルロビー”を気にするばかりだ。
その結果、「中立的仲介者」としての日本外交の立場は大きく揺らいでいる。国連安保理非常任理事国を務める日本が、いま声を上げなければ「戦後一貫して国際協調を掲げてきた」という看板も色褪せてしまう。
⑦ 国内政治への波及 ―「イスラエル万歳連立」の危険性
もし今後、自民党が参政党と政策協調を深め、さらに日本会議系の議員が結束すれば、「イスラエルロビー直結型連立」が誕生しかねない。タカ派政策は外交・安保だけでなく、改憲や緊急事態条項の導入へとつながる可能性がある。
宗教団体・国際ロビー・国内政治が結びつくとき、日本は再び「外圧に従属する国家」へと後退する危険に直面するのだ。
まとめ「見送り」の代償
日本政府がパレスチナ承認を見送ったことは、単なる外交カードの切り方ではなく、国家の独立性そのものを問う事件である。
100年前のバルフォア宣言に始まり、ハーヴァラ協定、宗教団体との結託、そして現代の米国ロビー依存まで。一貫して「イスラエルとその後ろ盾」に振り回される日本の姿は、戦後民主主義の脆弱さを露呈している。
本当に必要なのは、外圧や宗教ネットワークではなく、人道と国際法に基づいた自律的な外交判断である。
日本が再び「声なき民」の側に立つ勇気を持てるかどうか。その岐路に立たされている。
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