「忖度」無しの報道 "なんか"日本の報道に違和感を感じている人へ ちょっとクセあり番組だけど フォローしたら良いことあるかも?
2024年度第1四半期、農林中央金庫(以下、農林中金)は7四半期ぶりに黒字を計上した【出典:ブルームバーグ(2025年8月6日)】。
一見すると経営が上向いてきたようにも見えるが、その内実を深く掘り下げると、むしろ危機はさらに深化しているように見える。その鍵となるのが「CLO(ローン担保証券)」の存在であり、さらにこのCLOに関して動いているのが、米国の金融資本ゴールドマンサックス(以下GS)である。
農林中金は、長期金利の上昇に伴って保有債券の評価損が拡大し、巨額の損失を計上してきた。特に2023年度には1兆1,000億円の最終赤字を出し、戦後最大の金融赤字とも評された。しかし、2024年4~6月期決算では一転して黒字。これは、外債などの金利が上昇する中で、受取利息が増加したことが主因とされている。
ただし、根本的な経営体質の改善があったわけではない。満期保有を前提とする「評価益」を見込んだ帳簿上の調整による一時的な黒字であり、相変わらず高リスク資産のCLOは大量に抱えたままである。
CLOとは、信用力が相対的に低い企業への貸付債権を束ねて証券化した商品であり、サブプライムローンに近い危険性を孕んでいる。2008年のリーマンショックの記憶が薄れた頃から、欧米の金融資本は再びこの手の「金融工学」を駆使してリスク資産を売りさばくようになった。
驚くべきことに、農林中金はそのCLOを約7兆5,000億円も保有している。これは他の日本の大手金融機関と比べても桁違いの額であり、CLO投資において日本最大のプレイヤーである。しかも、2024年末の段階でもこの水準を維持する予定だという。
農林中金は「保有するCLOのほとんどが格付けAAAであり、リスクは低い」と主張しているが、その格付け自体が問題だ。CLOの組成元や格付け会社は、ゴールドマンサックスをはじめとした国際金融資本と密接に結びついており、自らの利益のためにリスクを過小評価する傾向がある。
ここに登場するのがゴールドマンサックスである。元幹部のグレッグ・スミスが暴露した通り、GSの社内会議では「いかに顧客から最大限にカネをむしり取るか」が議論されている。その「カモ」として名指しされていたのが、農林中金、ゆうちょ銀行、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、そしてソフトバンクである。
GSの思惑は単純明快である。自らが組成したCLOなどのリスク資産を、格付け会社を使ってAAA評価に仕立て上げ、目端の鈍い日本の金融機関に「安全な高利回り商品」として売りつける。日本側は「満期まで持てば元本割れしない」と信じて購入し、GSはその手数料とスプレッドで利益を確保する。
こうした構造は、まさに「金融植民地」とも言えるものである。日本の公共的な金融資産が、外資金融のゴミ処理場として利用されているということだ。ある金融関係者の間では、農林中金は「GSのゴミ箱」と揶揄されているという。
このような構造の背後には、日本の政界の動きがある。特に注目すべきは、小泉進次郎氏である。父・小泉純一郎元首相は、2000年代に「郵政民営化」という名目で、ゆうちょ資産をアメリカ金融資本に売り渡すための地ならしを行った。そして、進次郎氏が総理になれば、同じスキームが再演される可能性は極めて高い。
農林中金は、全国の農協の資金を束ねる中枢であり、農村の金融基盤を支える存在である。しかし、その資産が危険なCLOに突っ込まれ、外資に依存しはじめた今、脆弱性はむしろ増している。ここに、「改革」の名のもとで、農林中金の民営化、もしくは外資への段階的な売却が持ち込まれればどうなるか。まさに「農政の命脈」が断たれることになりかねない。
すでに進次郎氏は、環境政策などを通じてグローバル資本との距離を縮めてきた。彼が首相の座に就いたとき、農林中金が「第二のゆうちょ銀行」になり、アメリカ金融資本の餌食となる未来は決して杞憂ではない。
農林中金の黒字化は決して安心材料ではない。それは、むしろ嵐の前の静けさともいえる。大量に保有されたCLOの本質的リスクは解消されておらず、その背後には、ゴールドマンサックスという収奪構造が横たわっている。そして、政治の側では、小泉進次郎氏という「売国の血」を引く男が着々と準備を進めているかもしれない。
農林中金の「黒字化」を礼賛する前に、私たちはこの構造の危うさに目を向けなければならない。
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