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「忖度」無しの報道 "なんか"日本の報道に違和感を感じている人へ ちょっとクセあり番組だけど フォローしたら良いことあるかも?

記録的猛暑と環境改変技術──1977年環境改変兵器禁止条約の先にある


2025年の夏、日本列島はかつてない高温と少雨に覆われた。関東や東海では梅雨明けが
6月と、統計開始以来最速の記録となり、その後の猛暑は災害級と呼ばれるほどであった。東京消防庁によれば、熱中症による救急搬送者は8,300人を超え、過去最多を更新した。

全国各地ではダムの貯水率が急激に低下し、宮城県の鳴子ダムでは貯水率ゼロが続いた。農業用水を確保するために最低水位より下の水を緊急放流する異例の対応がとられ、各自治体は節水要請に追い込まれた。

この異常気象の背景には「ダブル高気圧」がある。チベット高気圧と太平洋高気圧が同時に発達し、日本列島の上空に居座ったことで、日照時間は伸び、雨は少なく、気温は一段と高まった。気象庁や専門家は、これらの現象の根底に地球温暖化があると指摘している。つまり、自然の変化と人間活動の影響が複雑に絡み合った結果が、今年の“猛暑と渇水”であった。

1977年 環境改変兵器禁止条約(ENMOD)の教訓

こうした気候の極端化と並行して思い出されるのが、1977年に国連で採択された
「環境改変技術の軍事的またはその他の敵対的使用の禁止に関する条約(ENMOD)」である。

この条約は、戦争の手段として気象や自然環境を操作することを禁じたものである。ベトナム戦争中、米軍が「ポパイ作戦」と称し、人工降雨によって補給路を泥濘化させたことが国際社会に衝撃を与えた。それがきっかけで、「環境を兵器化してはならない」という合意に至ったのである。

条約の核心は、「広範囲・長期・深刻な被害を与える環境改変行為を禁止する」という一点にある。対象は降雨操作、干ばつの人為発生、地震や津波の誘発、海洋環境の改変など多岐にわたる。しかしここで重要なのは、「平和目的の気象操作は対象外」と明記されている点だ。

技術の現実──兵器ではなく生活支援へ

では「平和目的の気象操作」とは何を意味するのか。

たとえば人工降雨技術。ヨウ化銀を雲に散布して雨を降らせる「クラウドシーディング」は、中国やアメリカ、アラブ首長国連邦などで広く行われている。北京オリンピックでは開会式の雨を防ぐために利用された例もある。農業用水の確保や砂漠地帯の緑化、ひいては都市部のヒートアイランド対策にまで応用が期待されている。

一方で、この技術は「干ばつを意図的に起こす」方向にも使える。まさに両刃の剣であり、条約が禁止する「敵対的利用」と「平和利用」の境界線は紙一重だ。

また、冷戦期にはソ連やアメリカで大気改変研究が盛んに行われ、「HAARP」計画が気象兵器ではないかと疑われたこともある。真相はさておき、軍事転用への懸念が常につきまとうのは事実だ。しかし今日に至るまで、公式に兵器としての実用化が確認された事例はない。

陰謀論的な話に飲み込まれないために

ここで注意したいのは、近年「支配層が気象をコントロールしている」という説が拡散されている点である。ありうる話ではあるが、極端な暑さや台風の進路が「操作されたもの」と決めつける議論は、科学的根拠を欠き、社会の冷静な判断を妨げる。

実際にあるのは「気象改変技術は存在するが、それは農業や防災などの平和目的で研究・利用されている」という現実だ。環境改変兵器禁止条約が示すように、国際社会はすでに半世紀前に「環境を兵器にしない」という原則を打ち立てている。問題は、その約束を守りつつ、どう平和利用を進めていくかにある。

平和利用の可能性──水と食料を守るために

日本のように水資源に依存する国では、渇水時の人工降雨は農業を守る切り札になり得る。東南アジアのモンスーン地域では、洪水を和らげるために雨の降り方をコントロールする試みも進む。中東の乾燥地帯では、クラウドシーディングが日常的に行われ、地下水に頼らない持続的な農業を模索している。

また、都市のヒートアイランド対策や大気汚染の軽減にも応用できる。極端な暑さや大気汚染で健康被害が拡大する現代において、環境改変技術は「人命を救う」方向に活かされるべきだ。

結論──環境を「戦争の道具」から「人類の味方」へ

今年の異常な猛暑と渇水は、地球温暖化の影響をあらためて実感させた。私たちは自然環境に大きく依存し、その変化に翻弄される存在であることを思い知らされた。

しかし同時に、科学技術は「環境を制御する力」を持ち始めている。1977年の環境改変兵器禁止条約が示したのは、その力を戦争の道具としてではなく、平和のために用いるべきだという国際社会の決意だった。

冷静に技術を見つめ、災害の緩和や食料の安定供給、健康被害の防止といった人類の課題解決に役立てる。そうした姿勢こそが、これからの時代に求められる「環境改変技術との向き合い方」である。

環境を兵器にするのではなく、人類の未来を守るために活かす──その選択こそが、異常気象の時代に私たちが下すべき答えなのである。平和利用」異常な夏、早すぎた梅雨明け

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