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イスラムヘイトの波 英国の治安の悪さは移民によるものか?イーロン・マスクとナイジェル・ファラージ決別 独自の道へ 移民問題


英国における移民の人口は全体のおおよそ16%に達する。6人に1人が大抵、海外出身となる割合だ。

英国の他人種統合の難しさ

「melting pot」(人種や文化が溶け合い一体化する)とは言っても実際には「salad bowl(文化が共存するが混ざり合わない)」に近く、特定のエスニック・コミュニティが分離して暮らし、実は統合していない。

2024年7月29日、イングランド北西部のサウスポートで起きた衝撃的な事件が、イギリス全土に波紋を広げた。

テイラー・スウィフトの曲をテーマにした夏休みのダンス教室での悲劇は、単なる凶悪犯罪にとどまらず、反イスラム感情と移民排斥の暴動を引き起こす発端となった。

ハート通りにある子供向けダンス教室で、17歳の少年アクセル・ムガンワ・ルダクバナが刃物で襲撃を行い、6歳、7歳、9歳の女児3人が死亡した事件。

8人の子供と2人の大人が負傷。

誤情報の拡散

事件当日、警察は17歳の少年を逮捕し、3件の殺人罪、10件の殺人未遂、刃物所持の罪で起訴した。

容疑者の名前は当初非公開だったが、誤情報拡散を防ぐため、裁判所は異例の措置として氏名を公表。

犯人はルワンダ出身の両親を持つイギリス生まれのアクセル・ルダクバナと判明。

この容疑者はイスラム教徒ではなく、ルワンダ出身の両親を持つキリスト教徒の家庭で育った少年だった。

しかし、事件直後からSNS上で「犯人はイスラム教徒の不法移民」「小型ボートで入国した亡命希望者」

といった虚偽情報が極右団体や反移民勢力によって拡散され、国民の怒りを煽った。

特に、反イスラム団体「イングランド防衛同盟(EDL)」の影響力を持つトミー・ロビンソン氏(本名スティーブン・ヤクスリー=レノン)が、こうしたデマを助長する役割を果たしたと見られている。

彼は過去にもイスラム教徒への敵対的な言動で知られ、SNSでの発信を通じて反移民感情を扇動してきた。

この誤情報は、サウスポートでの追悼集会を暴動へと変貌させ、モスクへの投石や警察車両への放火、警官への攻撃が相次いだ。

暴動はサウスポートからロンドン、サンダーランド、ロザラムなどイギリス全土に広がり、8月14日までに逮捕者は1000人を超えた。

イスラムヘイトと「過激派の風潮」

この事件を機に、イギリス国内でイスラムヘイトが高まった背景には、極右勢力が広める

「イスラム過激派は異教徒に対して何をしても許される」

というステレオタイプな主張がある。

こうした言説は、一部の過激派がイスラム教の名の下に暴力行為を正当化する事例を誇張し、イスラム教徒全体を敵視する形で拡散されている。

しかし、それにもかかわらず、デマによってイスラム教徒や移民への憎悪が煽られ、モスクや難民施設が攻撃対象となった。

イギリス国民と思われる一部のX投稿では「イスラム過激派による犯罪」とされるレイプ事件が取り上げられ、イスラム教徒への敵意をさらに助長している。

 

だが、イギリス国内での犯罪は、移民層だけではなく、貧困層、若者の低所得などにつながるフラストレーションが背景にあるものも多く、白人層も犯罪件数はかなり高い。

2023年のHome Officeのデータによると、逮捕者の民族別割合は人口比率に概ね比例しており、白人(特に白人イギリス人)が人口の大多数を占めるため、逮捕者数でも、白人層が大きな割合を占めるのは自然推移として当然である。

移民層(例:アジア系、アフリカ系、カリブ系など)も犯罪に関与しているが、犯罪全体の件数で見ると、白人層の関与も同等かそれ以上に多いのが実態だ。

こうした誤情報は、イスラム教徒全体を犯罪者として描く一般化を助長し、極めて社会的な分断を一層深めている。

暴動を通じて社会の深い分断が表面化された英国の現状 極右勢力が勃興

BBCによると、この暴動は「過去10年で最悪」とされている。極右団体だけでなく、若者や不満を抱える一般市民も参加して、暴力がさらにエスカレート。    

ロンドン警視庁は8月8日までに沈静化を宣言するも、イスラムに対する移民排斥感情は依然根強い。

一方で、こうしたヘイトに対抗する動きも見られる。2024年12月にはサウスポート事件を受けて反差別デモが各地で開催され、「平和への団結」を訴える市民が集まった。

警察や政府はデマ拡散への対策として、容疑者の身元公開やSNS監視の強化を進めているが、移民や宗教的少数派への偏見が根強い。

 

一方で、反差別を訴える市民の声も高まりつつあり、イギリスは分断と団結の間で揺れている。

政府や社会全体が、誤情報の拡散を防ぎ、ヘイトクライムに対抗する仕組みを強化する事は必然だ。

2017年6月14日 ロンドン・グレンフェルタワー火災

かつて西ロンドンにある24階建ての公営住宅「グレンフェル・タワー」で大規模火災が発生。

多くの住民が移民や低所得者層で、犠牲者は72人にのぼり、ロンドンにおいて戦後最悪の住宅火災とされている。

火災の最中も、SNSには『移民ザマァ』『イスラムに死を』など、かなり陰湿な書き込みが際立っていた。

この事件も現在のところ、放火の可能性は薄まっているが未だ捜査中だ。

移民反対派のイーロン・マスク氏(54)も煽る。

マスク、極右派支援の裏に移民問題反対活動

米テスラ創業者でX(旧ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏が、欧米政治で「極右寄り」の立場を鮮明にしている。

 

近年、移民問題への強い反発を軸に、欧州の反移民勢力に対して支持のメッセージを繰り返し発信している。

 

欧州極右との接近

マスク氏は、イギリスの過激な移民排斥運動を率いてきた現在保釈中のトミー・ロビンソン氏(42)や、アルゼンチンのミレイ大統領(55)、さらにドイツの極右政党AfD(オルタナティブ・フォア・ドイッチュラント)への共感を公言。

 

特にAfDについては、既存メディアが「危険視」することに反発するかのように、X上で同党に対する検閲や排除を批判してきた。

 

ファラージ氏との温度差

一方で、英国の政党リフォームUKのナイジェル・ファラージ代表(61)は、自ら率いるリフォームUKを「主流右派」へと位置づけ直そうとしており、ロビンソン氏のような過激派との距離を取ろうとしている。

 

マスク氏にとって、この「穏健化」は「日和見」な物足りなさを感じさせた可能性がある。

 

実際、マスク氏はかつてドナルド・トランプ米国大統領を通じて蜜月だった、ファラージ氏の慎重な態度よりも、ストレートに移民反対を訴える勢力に共感を示してきた。

 

現在はトランプ大統領やファラージ氏とも決別し独自の政党『アメリカ党』を作ると意気込むマスク氏。

 

共和党と民主党の二大政党制に対抗する第三の勢力を目指す動きだ。

 

背景にある「移民不安」

マスク氏の極右寄り発言の背景には、欧米で高まる移民流入への不安があるとみられる。

 

マスク氏は過去にインタビューで「徴兵されればアパルトヘイト政府のために戦うことになる。そんなものは嫌だった」と語っており、17歳で南アを離れてカナダに渡った理由のひとつがアパルトヘイト政権の軍隊に入らされるのを避けるためだったと述べている。

 

その後米国に渡った移民でありながら、「行き過ぎた多文化主義」や「治安悪化」への警鐘を強調する。

 

Xを通じて、移民に否定的な言説を広めやすくした結果、欧州の極右勢力にとっては強力な後ろ盾となっている。

 

テック企業経営者としての発言が、欧州政治に直接影響を与えるケースは稀だ。

 

しかし、マスク氏はXを通じて議論を拡散し、既存メディアに挑戦状を投げかけている。

 

『寛容が西洋文明の終焉を意味するのであれば、我々は寛容ではいられない』

イーロン・マスク

かと言って、ヘイトクライムは善良な良識ある人々を更に傷つける側面もあるということを知っておかねばならない。

 

今後の動向は、SNSの影響力と社会の包摂性をどうバランスさせるかにかかっている。

 

西側社会とイスラムコミュニティは「多文化共生」と「価値観摩擦」が今後も同時進行すると見られる。

 

日本はまだ小規模だが、熊谷俊人千葉県知事(47)の呼びかけるイスラムタウン建設など象徴的な文化の違いが強い問題意識を呼んでいる。

 

移民政策は、各国それぞれの文化による背景が大きく関わってくるが、

 

マスク氏「自国民よりも移民が優先されることが寛大な政策とは言わないんだ!」。

 

寛大さと優先順位を混同すると、移民政策の是非を冷静に議論できなくなる。

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