東京高等検察庁は3月25日、手術後の女性患者へのわいせつ行為で準強制わいせつ罪に問われていた乳腺外科医の関根進被告(49)に対する無罪判決について、最高裁への上告を断念すると発表した。これにより、関根被告の無罪が確定する見通しとなった。
事件の概要は、2016年5月、東京都足立区の病院で、関根被告が乳腺腫瘍摘出手術を行った直後、病室で女性患者の左胸をなめたなどとして起訴されたものだ。
裁判の経緯として、2019年に東京地裁が無罪判決、控訴審で東京高裁が有罪判決(懲役2年)、最高裁で高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。
更に、2025年3月12日に東京高裁が差し戻し審で無罪判決を出し、2025年3月12日、東京高裁が差し戻し審で無罪判決となった。そして、本日2025年3月25日、東京高検が上告断念を発表。
東京高裁の差し戻し審判決では、女性患者の証言について「麻酔覚醒時にせん妄状態に陥り、性的幻覚を見た可能性を排除できない」として信用性を否定した。また、女性の胸に付着した関根被告のDNAについて、警視庁科学捜査研究所による検査は正確とは言い切れず、胸をなめたと断定できないと結論付けた。
東京高検は「判決内容を十分に精査したが、適法な上告理由が見いだせなかった」として上告しない、としている。
この事件は逮捕・起訴から約9年が経過しており、関根被告は長期にわたる刑事手続きによる苦痛を強いられてきた。
医療関係者からは、日常的に人体との接触が避けられない医師の萎縮を防ぎ、安心して医療行為を行えるようにするためにも、速やかな無罪確定が求められていた。
関根被告は12日の記者会見で、「医療の不確実性を前提に医療者側も患者側も守られる仕組み作りが必要」と話している。
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